「CRAZY DIZZY NIGHTS」

2017.2.28
先週末プレミアムフライデーなる制度が経産省主導で導入された。
毎月月末の金曜日に午後3時の退社を呼びかけ、買い物や食事、或いは旅行などをしやすくすることで国内消費を刺激する施策だと言う。
その夜遅くに見たテレビには、丸の内の一部の大手企業に勤める方々や公務員らが一斉に退社し、スポーツジムや居酒屋に行くなど、思い思いに楽しんでいる映像が映し出された。

それはそれでいい・・・・。
夕方明るいうちから飲むビールは確かに旨い。

 その一方で弊社が取り組む訪問看護の分野では、24時間365日計画的な看護が提供できる仕組み作りを謳った「地域包括ケアシステム」の構築が急がれている。
厚労省が今後数年間で、計画的に病床数を15万床削減し、在宅で看取りのできるネットワークづくりを目指しているからである。
これに伴う現場の看護師や医師、セラピスト、ケアマネにかかる使命や重圧は相当だ。
「介護離職ゼロ」を声高に叫ぶものの、実感として在宅で看護・介護職に携わる人材が充足されているとは言い難いのが現実だ。
介護福祉士の受験者数も相当落ち込み、惨憺たる状況だと聞く。


施設介護も含め、在宅介護および訪問看護ステーションに在籍する職員にもプレミアムフライデーは実現できるのだろうか・・・?

 経産省のサイトにはロゴマークとともに「プレミアムフライデーの実施方針」が掲載されている。
【プレミアムフライデーとは】
個人が幸せや楽しさを感じられる体験(買い物や家族との外食、観光等)や、そのための時間の創出を促すことで
(1)充実感・満足感を実感できる生活スタイルの変革への機会になる
(2)地域等のコミュニティ機能強化や一体感の醸成に繋がる
(3)(単なる安売りではなく)デフレ的傾向を変えていくきっかけとなる

 更に・・・
【対象地域・業種】
 全国各地で業種にとらわれずに実施
【実施主体】
 買い物・観光・ボランティア・家族との時間など多くの方が「生活の豊かさ」や「幸せ」感じられるよう・・・と続く。

 業種にとらわれず・・・などと容易く言うが、そんなことがあろうはずはない。金曜日に早く上がれたからといって、地域のコミュニティが機能強化できるなどという単純なものでもない。
だいたい「生活の豊かさ」や「幸せ」は買い物や家族との外食などでしか得られないものでもなく、まして一斉に行う半ば強制退社によってもたらされるような単一的なものではないはずだ。
 
例えば、来月のプレミアムフライデーは3月31日が該当日だが、
年度末を迎え、その月の最終日に当たる金曜日に、果たしてどれだけの人が午後3時退社を実現できるだろうか・・・?
言っては悪いが、余程の暇な会社か、或いは暇な部署の人だけしか帰れないのではないだろうか。

 そもそも消費が増えないのは、時間が取れないからでは断じてない。
企業が投資を控え、個人は貯蓄に走り、若者の給与ベースは上がらず、派遣労働者が増えているからに他ならない。
それは、今後加速度的に増える高齢者世代を支えることに、そして自らの老後に誰もが不安を感じ、社会基盤の綻びを感じ取っているからに他ならない。
国内消費が伸びないからと言って、半強制的に時短勤務日を制定することは、一方で企業の生産性や収益性を奪う。さらに時給や歩合などの加給制度で働く人達にとっては減収がついて回る。
一部のサラリーマンと公務員だけが享受できるだけの制度なら、長くは続かないし、拡散しないだろう。

さらに言えば、経産省と厚労省のコンビネーションにも首をかしげざるを得ない。
一方で「介護離職ゼロ」を掲げ、その一方で「働き方を豊かにする」と言う・・・。
それなら毎月最終金曜日などと定めずに、両省が連携してもっと柔軟で多様性のある働き方ができるような策を推し進めるべきではないか・・・?
在宅看護の現場には、今日も在宅でのケアを待ちわびるご利用者様とご家族がいる。誰かがそこに行かねばならない。

それを支える彼女達にこそ、本当はひと息つけるプレミアムなフライデーが必要だ。

熱意を持った訪問看護師
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